まずフッ素樹脂加工とは、フッ素樹脂を金属やセラミックなどの基材の表面に塗膜化する加工の事で、フッ素樹脂加工を施す事により物が付着しにくくなったり、表面のすべりがよくなったりします。

そしてフッ素樹脂の総称として、「テフロン」という呼び名を使う人は数多くいますが、実際にはテフロンはフッ素樹脂の一種にすぎません。

テフロンはＰＴＦＥ(ポリテトラフルオロエチレン)などの商品名であり、開発元のデュポン社(現ケマーズ社)により商標登録されています。

「テフロン加工」という言葉を日本でも多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。

なお、他のメーカーでもフッ素樹脂加工製品は製造されており、それぞれ異なる商品名で売り出されています。

フッ素樹脂加工についてこちらの記事も参考に

最も身近なフッ素樹脂加工品としてフライパンがあげられます。

また、現在ではお鍋もフッ素樹脂加工されている物が数多く出回っています。

先に述べたように、フッ素樹脂加工が施された商品はメーカーによってその呼び名や特徴が異なってきます。

中でも今回はフライパンのフッ素樹脂加工あるマーブルコート、ダイヤモンドコート、ハードコートを一般的なフッ素樹脂加工と合わせてご紹介します。

マーブルコートとは、大理石のような見た目をしており、フッ素樹脂に鉱物を混ぜた加工です。

マーブルコートを施したフライパンの表面には鉱物の細かい点がひしめきあっています。

マーブルコートの大理石調の表面は凹凸があり、調理器具などとのすれが軽減されてフライパンが摩擦しにくくなるという特徴があるので、すべりの良さ・耐久性どちらも欲しい方にお勧めの素材です。

フッ素樹脂に鉱物を混ぜるマーブルコートに対して、ダイヤモンドコートはその名の通り、フッ素樹脂にダイヤモンドをませた物を言います。

ダイヤモンドは非常に高度が高い物質なので、ダイヤモンドコートされたフライパンは摩耗に対して高い耐久性を示し一般的なフッ素樹脂加工フライパンよりも長持ちするとされています。

一般的なフライパンのフッ素樹脂加工は、プライマー・ミドルコート・トップコートの3層構造の物が多く見られます。

ハードコートではこのミドルコートやトップコートにセラミックを混合する事で、フライパンの摩耗に対する耐久性を向上させ一般的なフッ素樹脂加工よりも長持ちさせています。

またこちらは金属ツールを使っても傷が付きにくいとされていますので、ツールを選ばずに使いたい方へおすすめです。

最もベーシックな塗膜であり、比較的安価で、通常使っていただくには機能としても十分。

気軽に使う一枚が欲しい方にお勧めです。ただし塗膜の強度は高くなく、金属ツールを使うと傷つきやすい特徴がありますので、使い方にはやや注意が必要です。

塗膜の強度は他の3種に比べると劣ってしまいますが、通常使う分には十分です。

以上を踏まえ、フッ素樹脂加工を使う際の注意点を次にお伝えしていきます。

油を使わなくてもくっつかないと人気のフッ素樹脂加工フライパンですが、余熱時の急激な温度上昇により、フッ素樹脂加工ははがれやすく、劣化が早まります。

この余熱時の急激な温度上昇を防ぎ、フッ素樹脂加工を急激な温度差から守るためにも油を入れてから点火・加熱する事をお勧めします。

また、大きなフライパンで少量の調理をした際も食材がのっていない部分が空焚き状態になりますので、分量に合わせたサイズのフライパンを選ぶこと、また油を塗るだけでも空焚きを抑える効果がありますので毎回油を塗る癖を付けましょう。

フッ素樹脂加工の耐熱温度は250～270度が一般的です。これはフライパンを強火で１分ほど加熱すると達してしまう温度で、3～5分熱した場合、実に400度近い温度になります。

耐熱温度を超えて使用し続けると、フッ素樹脂加工の劣化が早くなる原因になりますので、調理中は中火以下で加熱をする事をお勧めします。

フッ素樹脂加工のフライパンは、傷がつくとそこから劣化し、焦げ付きやすくなったり、加工が剥がれたりします。特に金属製のヘラやおたまはフッ素樹脂加工を傷つけやすいツールになりますので、木製やプラスチック製を使用するようにしてください。

、先に述べたように、ハードコート加工のフライパンは一般的なテフロン(フッ素樹脂)加工よりも摩耗性金属製のツールを使っても傷つきにくいとされていますが、がりがりと焦げを削るような動作をすればやはり加工を痛めかねませんので、基本的には金属製ツールは控える事をお勧めします。

基本的に調理が終わったら、食材はおさらい移し替えましょう。

フライパンに食材を入れたまま放置したり、フライパンごと冷蔵庫に入れたりすることは基本的にNGです。

特に塩分の強い調理物を入れたままにすると、フッ素樹脂加工の表面にある、見えない小さな穴から塩分が染み込み、下地の金属を錆びさせてしまいます。

その結果、フッ素樹脂が浮き上がり葉枯れの原因になります。

調理後、フライパンをすぐに洗おうと、水をジュ―っといきなりかける「急冷」行為もやめましょう。

フッ素樹脂加工の表面が傷んでしまう原因となります。

しばらく置いて、冷ましてからお手入れする事をお勧めします。

また、汚れを落とすためにたわしや研磨剤入り洗剤などの使用はやめましょう。

フッ素樹脂加工を傷つけてしまう原因になります。

洗う時は冷ました状態のフライパンに水を入れ、中性洗剤とスポンジで優しく洗ってあげましょう。

使用後、フライパンを冷えるまで放置しておくと、中に残った油分やソース等の食材が固まってしまい汚れを落とす事が大変という意見も聞きます。

この問題を解決、実用的に使うのであれば、使った直後フライパンに水ではなく熱湯に近いお湯を少量注いでおく事で、油や汚れを浮き上がらせておくことができるので洗う際のストレスがより軽減されます。

注意点としてはフライパンの温度を急激に変えないよう熱いお湯を注ぐ事です。是非試してみてくださいね。

フッ素樹脂加工のフライパンは食材がくっつきにくいだけでなく、軽量なので使いやすさやお手入れの簡単さから選ばれる人も多い商品です。

また比較的安価な商品が多いので、使いづらくなったら使い捨て感覚で頻繁に買い替えているご家庭も多いです。

一部2～3万円するような高級品もありますが、残念ながら、その商品でも空焚きによる超高温には弱いです。

「値段の高いフッ素樹脂加工なら強いの？」という疑問の答えは、超高温に弱いという特性はほとんど変わらないようです。

フッ素樹脂加工のフライパンの寿命は商品にもよりますが、目安として約1～2年です。

中でも比較的長持ちするのが表面の傷つきにくいダイヤモンドコート商品で平均2～3年程度が買い替えの目安とされています。

焦げ付きにくくてお手入れが比較的簡単なフッ素樹脂加工フライパンですが、傷がつくとどうしてもコーティングがはがれやすくなってしまうようですね。

人によってはフライパンを毎日何回も使っている、急いで調理する際につい強火を使ってしまっているという人も少なからずいるのでは？と思います。

という筆者はダイヤモンドコートのフライパンを1年もたたずにダメにしてしまった経験があります。

調理器具を購入したらはじめに商品の使用説明をよく読み、特性を理解したうえで使用する事が結果的に安全であり、そして長持ちさせる秘訣ですね。

今回はテフロン商品という名で多く知られている、いわゆるフッ素樹脂加工の商品についてお話ししました。

正しく使用すれば数年は心地よく使う事ができる商品ですが、フッ素樹脂加工を施されている商品はそのコーティングの補助剤に有害物質が使われているケースがあります。

「健康には人一倍気を付けている」、「お子様や家族がいるからできるだけ安全な物を選びたい」という方は、フライパン替わりにもなるベルギー発の無水調理鍋、ＰＡＰＩＬＬＯＮ(パピヨン)がお勧めです。

こちらの商品は2023年4月、東京ギフトショーで使い勝手の良いお鍋として大賞を受賞。

軽量で有害物質を一切含まない、しかもフッ素樹脂加工商品のように油引けば焦げ付かないセラミックコーティングがされています。

きれいなオフホワイトの蓋に淡いブルーの本体は女性の心をわしづかみ。

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